「警察だって間違うことはありますから. . .」
ネパール料理店主の彼は伏し目がちに笑った。
8月某日、僕はネパール料理店にいました。
モモという料理がとても好きなのです、カレー風味の小龍包とでも言った所でしょうか、その他にもヨーロッパとアジアを結ぶシルクロードならではの興味深い料理がたくさんあります。
それ以上に気さくで笑顔溢れるネパール人店員さんたちの人柄は、東京で暮らす僕達にとって、何か懐かしい感情を呼び起こしてくれる癒しの場として多くの人に支持されていました。
東電OL殺害事件、再審が決定。
殺人の濡れ衣を着せられ、15年もの間自由を奪われた無実のネパール人男性が人知れず「釈放」されていました。
再審が決定と言う報道は目にしましたが、その後の釈放に至る情報は大きく取り上げられることは無く、そのネパール人男性に対して謝罪なり保証なりがあったのかというのはわからずじまいです。
更に今年、大阪の路上では何の罪も無いネパール人男性が日本人の若者4人から暴行を受け死亡しました。
ただ殴られ、蹴られ、財布も取られ、それでも抵抗せず、命が尽きるまで暴行を受け続けたのです。
もし日本人が外国でこんな目にあったらどうなっていたでしょうか?
弱者にいいがかりをつけ悪者に仕立て上げ、略奪する。
いじめが起きているのは学校だけではないようです。
黄金の国ジパングを目指し、途上国と呼ばれる国から来た人々。
たまたま生まれた国が僕達と違うだけの人々。
私たちは日本人として正しく彼らを見ているでしょうか。
同じ人間として敬意を持って接しているでしょうか。
カレーと小龍包、違う場所で生まれた二つの味は仲良く互いを高めあっています。
ぜひ、ネパール料理のモモを食べてみて下さい。