マツコラム

うなぎを守ろう!

世界に良い影響を与えている国第1位、日本(2012)
今年は5位だったようですが、常に上位ランクイン。
とても誇らしいですね。

その日本が今、世界から嫌われています。

ニホンウナギ:絶滅危惧IB
ヨーロッパウナギ:絶滅危惧IA

どちらも近い将来野生での絶滅が近いものに指定されました。
ですが、今年もテレビやラジオではおいしいうなぎ店特集等が賑やかに放送されています。

養殖うなぎというものは完全養殖ではなく、稚魚の採取から始まります。
日本のうなぎ消費を賄うため、ヨーロッパウナギの稚魚も取り付くし、日本のみならずヨーロッパでも人知れずうなぎが絶滅しつつあります。
その減少率、95%~99%、もうヤバい。
クジラを食べる食べないの話とは全く違う次元でかなり深刻です。

その背景には、日本の漁業管理の甘さが有るといいます。
日本の漁業は取った者勝ちな所が根強く、採取制限がかけ辛いのだとか。
それはまさに日本が漁業大国だからこそ漁師さんの権限に政治が入り込めない仕組みらしい。
その漁業大国日本が、先進国で唯一漁業市場規模が下がっているという話。

他の先進国では、魚ごとに取って良い量を決め、適正な価格を付ける事で資源と漁師さんを守っているそうです。
そして、飲食店では取り扱う魚を明記して、その魚が今どんな状況(絶滅危惧種か豊富にいる魚か)をお客さんに知ってもらうフィッシュウォッチという仕組みを取り入れているようです。
http://www.fishwatch.gov/(残念ながら日本語サイトは無いようです)

政治的な取り決めが、今世界から求められています。
ですが、政治家は国を変える事は出来ない、国を変える事は国民にしかできない。
政治家とはその国の国民の思想の平均値です、私たちが正しく政治家を選んでいる限り、彼等の振る舞いはそのまま私たちなのです。
泣き叫んでる議員さんもいましたが、彼はつまり私たちの平均値という事になります。
もちろんダメな政治家は淘汰されて行きますが、崇高な理念を持った政治家もまた、国民からは支持されません。
「漁業規制を掛けましょう」という政治家に漁師さんは票を入れないでしょう。
だとすれば、私たちの意識を変えるしか無いのです。
魚の資源量は、数年で回復するそうです。
今、福島沖はとても豊かな漁場になっているそうです。三宅島は噴火から年月が経ち、今は巨大サザエが取り放題だそうです。
人が捕らなければ、自然は回復する。ちょっとうなぎ我慢しませんか?

そのかわり、うなぎ漁師さんを守るため、国からの保護や、適正な価格の設定、天然うなぎを食べたいお金持ちさん用に良いものには高額な税率を掛けるなど必要な事は有ります。
そしてマグロの完全養殖に成功した近大さんはじめ、うなぎの完全養殖を研究する人を助成する仕組みも必要だと思っています。ノルウェーサーモンのような、世界を救う生産漁業の仕組みを日本が作れないはずが無い。

保護の体制を万全にしてからの規制、ちゃんと話せば漁師さんも納得してくれると思います。
そして、国民の意識がそちらに向かない限り、政治家がどんなに頑張っても法は通らない。
「風物詩」というものが無くなるのは日本人にとってはとても悲しい事です。
だから風物詩を守る為に、少しの間我慢を。
どうでしょう、皆さん。
私はうなぎが食べたいのです、未来永劫に。