飛行機、燃えちゃいましたね。
チャイナエアラインのボーイング737-800型機が炎上している映像を見たのは広沢くんのライブを終え東京へ戻った20日の昼の品川駅でした。幸い被害者は出なかったという事で一安心でしたがこの飛行機が事故を起こしたのはショックだった。
BOEING 737-800。飛行機マニアの僕としてはとても期待していた型でした、世界中で最も多く売れたボーイング社のヒット商品737-100。広島にいた頃毎日5時に家の真上を渡っていた大きな翼、その後継機として登場した最新鋭の旅客機。コンパクトで機動性が高く短い滑走路でも離着陸できる737-100の特徴を次いでさらに国際線長距離にも対応できる燃費を兼ね備えた夢の飛行機、その需要は高くリゾート地など滑走路の短い離島や利用者の少ない都市間などもカバーできるまさに「小粒でもピリリと辛い奴」なのでした、その夢の飛行機が燃えてしまった。
そしてなによりの問題はそれが「中国(台湾)製」の整備不良が原因だったこと。食品等の分野でさんざん叩かれた中国、こんどはそのずさんさが最新鋭の称号を汚してしまった。イメージの回復はより困難になるでしょう。しかし今はたまたま中国が槍玉に挙げられているだけでかつての日本もそうだったと言います。
一番の悪玉は「高度成長への焦り」なのではないでしょうか。爆発的な成長を遂げている中国ではむしろこれは容易に想像し得るリスクかもしれません。利益を優先しすぎれば当然製品にボロがでる、行列ができ始めたラーメン屋さんが次第にマズくなるのと同じ原理です、そしてそれに拍車をかけているのは他でもない日本だと言えます。安い労働力を酷使し粗悪な野菜や工業製品を作らせているのは私たち日本人で、とにかく安く作れという圧力に耐えかねて質を落とすのはミートホープに限った事ではないでしょう、そしてもちろんその恩恵を受けているのは労働者ではなく企業。そこまでは周知の事実、ならどうすればその悪循環を止められるのか?それは私たち消費者の意識以外にはないのかもしれません。
中国製は悪か?もちろん答えは明らかにNOです、しかし実際悪い中国製品は存在するのも事実。しかしそれらの多くは先進企業の利益追求の為に掛けられた濡れ衣なのではないでしょうか。そのせいで中国の長い歴史で培われた素晴らしい文化が霞んでしまうのは残念なことです。僕の愛して止まない中国茶などは先進諸国の技術力を持ってしても到底追い越せるものではなく、他にもどの国がどうがんばってもたどり着けない匠の技が中国にはたくさんあります。コストと効率だけを強要した結果農薬漬けの野菜の被害に遭うのは当然の報いかもしれません、そしてその陰には作物の質を守り価格を落とせない日本の農家のプライドと憂いも見えます。ならば選ぶ道は不自然に安い怪しいモノは避け顔の見える地場のものを選ぶという事かもしれません、それは同時に本当に美味しい食材に出会う楽しい旅だと思います。そしてそれを選んで買うということは真面目にがんばっている生産者への賛辞であり利益追求を優先する企業への警鐘にもなります。
その意識に立ち返ればきっと「中国製」という言葉の本当の素晴らしさは再び見えてくると信じています。