昨日サントリーホールにマウリツィオ・ポリーニ氏のピアノを聴きに行った、凄かった。
プログラムはオールショパンでバカテクの曲が多いメニューで御年62歳を迎える彼の手は「ウソだろ!?」って位鮮やかに舞っていた、終止超余裕のプレイで何度もアンコールに応えその度ヒートアップしていく会場、ピアノの生音のみのコンサートがここまで気迫に満ちるものとは、いろんな物を学んだが何よりも感じたのが「情熱はいかなる障害をも超える」ということだろうか、失礼ながら年令と共に体は衰えて行くと僕は思っていた、しかし昨日の彼の演奏はあっさりその考えを覆し余り在りさらに「円熟」という言葉を使ってしまうのはいささか短絡的かもしれないが62歳という年令が造り出す超絶でありながら包容力に満ちた音には「まいりました」と思うのと同時に計りしれない希望を僕に与えた。可能なのだ、もちろんそれを造り出すことは容易ではないだろう、たかだか30歳の僕には到底想像もできないが彼の演奏を支えているのが努力か?情熱か?才能か?それは考える必要はない、彼がその演奏を超余裕でやってのけたその事実だけが存在していたことは間違いない、加えて彼は精力的に新しい音楽を学び、コラボレートして行きつつ一人のクラシックのピアノの表現者としてまだ先を見据えている、僕には彼に対する詳しい知識はないが漠然と思ったのが「今日のコンサートが終わったらその足でセッションバーとか行ってピアノ弾いてそうだな」と、そりゃねぇか。でも表現の仕方は違うかもしれないが僕も一生をかけて音楽をやって行く、かっこいい先輩を見た、「希望」を通り越して「対抗意識」が芽生えた、無性にピアノが弾きたくなった。