マツコラム

「さかな」(FC会報1997年6月号より)

松ヶ下は魚が好きである。見るのも食べるのも飼うのも、はたまたアクセサリーに至ってもさかなデザインのものを見つけると買わずにはいられないのである。なぜだろうと考えてみた。さては前世が海洋性哺乳類なのではないか?そう考えてみれば水の中が好きである。海へ行ったりするとなかなかあがってこなくて怒られたりする、家でもシャワーよりお風呂に入ることの方が多い。なるほど、今後から僕の前世はイルカですと言おう、いや、イルカと決まったわけではない、セイウチとかだったらなんかイヤだ、前世の話はやめよう。
それはさておき、最近は特に釣るのが好きである。別に釣りブームだからというわけではない。昔も近所の川やおばあちゃん家の近くとかにいっぱい魚の釣れるところがあって、父親に「連れてけ」と嫌がられるほどせがんだものだ。しかし音楽に目覚めた頃からか次第にやらなくなり、いつのまにか興味もなくなっていた。
そこへ火をつけたのがユウさん(多摩川バーベキュー大会に参加していたベーシスト)だった。何となく誘われて横浜で小魚と遊んだのだが、長年の沈黙を破りブレイク!松ヶ下趣味チャートを急上昇していったのである。さっそく道具を買いそろえ、雑誌を読みあさった。だが長年のブランクのせいか、エサにする虫がさわれない。ヤツの名は“ゴカイ”。ミミズにいっぱい足が生えたような世にもおぞましい生き物でクネクネ動く上に噛みつきやがる、これは困った、ということでルアーフィッシングにはまることにした。
ルアーとは、木やプラスチックでできたなんちゃって小魚やウソ虫に針がついたもので、これで魚をだまして釣ろうというものだ。しかし魚もバカなやつとそうでないやつがいて、しばらくルアーを追っかけてくるのが見えるのだが、ちょっとでもヘンな動き方をするとプイッとそっぽをむいてしまうのだ。その点うちで飼ってるエンゼルフィッシュのニッチとサッチはバカだ。何を入れても食べてしまうし、あわてて空気まで食べてしまってお腹が浮いてしまうという情けないくらいのバカ魚である。それはよいとして、ルアーで釣れる魚というものは概して獰猛で力が強い。バスフィッシングが流行っているのもそういう理由からだと思うが、私の場合はちょっと違う。食べられなくてはダメなのだ。ブラックバスはとてもマズいらしいので、私はもっぱら海である。(かっこつけて言うとソルトウォーターゲームと言うらしい)よく行くのは東伊豆で、なによりここは海がきれいなのだ。天気がよければ底が見えるほど透き通っていて魚を眺めているだけでも時間を忘れてしまうほどだ。ここに釣り好きの人が多いのも何となくわかるような気がした。
それからというもの石ポンこと石田孝文氏をはじめたくさんの隠れつり好きミュージシャンを見つけ、先日ラジオのゲストできてくれたWildStyleの原氏とは番組中「男の磯釣り」の話で長々と盛り上がってしまい、結局時間オーバーでカットになってしまった、原さんゴメンナサイ。
そんなわけでみんなも今年の夏はさかな釣りをはじめてみては?今回は書けなかったけど、バーベキューセットを持っていくとなお楽しいのである。あと犬とフリスビー、凧上げ、夜は花火などなど、遊んでないで仕事しろってかんじですね、はい。